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舌痛症について

舌がピリピリ?チクチク?

~舌痛症について知っておきたいこと~

こんにちは。
兵庫区和田岬にある 北村歯科医院 です。

毎日暑い日が続きますね☀️
水分・塩分をしっかりとって、熱中症には十分お気をつけください。

さて、今日は「舌痛症(ぜっつうしょう)」という症状についてお話しします。
あまり聞き慣れない名前ですが、実は女性に多くみられることがある症状なんです。


舌痛症とは?

舌痛症とは、舌に目に見える傷や炎症がないのに、「舌がピリピリする」「チクチク痛む」と感じる状態のことです。

特徴的なのは、テレビを見ている時や、ふとした時に症状が出ること。
逆に、食事中や友達とのおしゃべり、趣味に集中している時などは症状が出にくい傾向があります。

特に 50〜70代の女性 に多く見られると言われていますが、ストレスや生活環境の影響で、もっと若い世代にも起こる可能性があります。


原因は何?

はっきりとした原因はわかっていませんが、

  • ストレス

  • ホルモンバランスの変化

  • 自律神経の乱れ

などが関係していると考えられています。

このため、舌痛症は「口腔心身症(こうくうしんしんしょう)」と呼ばれることがあります。


口腔心身症とは?

心身症という言葉は聞いたことがあるかもしれません。
これは、心の状態(心理的なストレスなど)が、体の病気や症状の発症・悪化に大きく関わるものを指します。

口腔心身症は、その症状が口の中に現れるタイプです。
たとえば、歯や舌が痛い、しびれる、違和感があるなどの症状があるのに、歯科で診ても原因が見つからないケースがあります。

舌痛症の場合も、見た目には炎症や傷がなく、血液検査などでも異常が見つからないため、「原因不明の痛み」となってしまうことが多いのです。


舌痛症と診断されたら?

舌痛症は、放っておくと命に関わる病気ではありませんし、多くの場合は積極的な外科的治療は必要ありません。

「痛みはあるけれど、舌そのものに炎症や病変がない」というのが理由です。
そのため、炎症を抑える薬(痛み止め)を飲んでも効果が出にくいのです。

まずは 一般歯科医院や口腔外科 に相談し、必要に応じて心療内科など他の医療機関と連携して対応していくことがあります。


症状を和らげるためにできること

舌痛症は、日常生活のちょっとした工夫で症状が軽くなる場合があります。

1. 口をうるおす

口を水やうがい薬でゆすぐと、ピリピリ感がやわらぐ方が多いです。
特に乾燥しやすい季節やエアコンの効いた室内では、こまめに口をうるおすよう心がけましょう。

2. ストレスをためない

心の負担が症状を悪化させることがあります。
深呼吸、軽いストレッチ、趣味の時間を取るなど、自分なりのリラックス方法を見つけましょう。

3. 食いしばりをやめる

歯を強く噛みしめるクセ(食いしばり)は、舌やあごに余計な負担をかけ、痛みやストレスの原因になることがあります。
理想は、唇を軽く閉じたときに上下の歯が離れている状態です。


北村歯科医院からのメッセージ

舌痛症は、目に見える病変がないため「気のせい」と思われがちですが、実際に患者様ご本人が痛みを感じていることは事実です。
原因がはっきりしないだけに、不安やストレスを感じる方も多いです。

そんな時は一人で悩まず、まずは歯科医院にご相談ください。
症状の背景や生活習慣を一緒に確認し、必要に応じて他の専門医と連携しながら、少しでも快適に過ごせるようサポートいたします。


参考文献:口腔外科診断学

神戸市兵庫区 北村歯科医院