フッ素塗布とシーラントの違いと使い分け
~子どもの虫歯予防の2大処置をわかりやすく比較~
小学生のお子さんを持つ保護者の方からよくいただく質問のひとつに、
「フッ素塗布とシーラントってどう違うのですか?」
というものがあります。どちらも歯科医院で受けられる虫歯予防処置ですが、目的や方法には違いがあります。今回は、この2つの処置についてわかりやすくご説明します。北村歯科医院 院長 北村聡一 編集
フッ素塗布とは?
フッ素塗布は、歯の表面にフッ素を塗ることで歯質を強くし、虫歯菌が出す酸に溶けにくくする方法です。特に生えたての永久歯や乳歯は歯質が弱く、酸に負けやすいため、フッ素を取り込ませることで虫歯のリスクを下げられます。
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効果
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歯の再石灰化を促す
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エナメル質を強化して酸に強くする
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虫歯菌の活動を抑える
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対象
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乳歯や生えたばかりの永久歯
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全ての歯に広く効果がある
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方法
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年に数回(3~6か月ごと)の塗布が望ましい
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つまりフッ素塗布は、歯全体を虫歯に強くする“バリア”を作る処置です。
シーラントとは?
シーラントは、奥歯の噛む面にある深い溝を、プラスチック樹脂で埋めて虫歯を予防する方法です。特に6歳臼歯や乳歯の奥歯は溝が複雑で、歯ブラシの毛先が届かず虫歯になりやすい部分です。シーラントで溝をコーティングすることで、食べかすや菌が入り込むのを防ぎます。
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効果
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溝に食べかすや菌がたまるのを防ぐ
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生えたての歯をピンポイントで虫歯から守る
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対象
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6歳臼歯や乳臼歯など、噛む面の溝が深い歯
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方法
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歯を削らず、樹脂を流し込んで光で固める
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数年ごとに欠けやすいので定期的なチェックが必要
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つまりシーラントは、虫歯になりやすい部分をピンポイントでカバーする処置です。
フッ素塗布とシーラントの違いを比較
項目 | フッ素塗布 | シーラント |
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主な目的 | 歯質を強化して虫歯予防 | 奥歯の溝を物理的に保護 |
効果の範囲 | 歯全体 | 奥歯の噛む面(特に6歳臼歯) |
対象 | 乳歯・永久歯すべて | 奥歯の生えたての歯 |
持続性 | 数か月ごとの再塗布が必要 | 数年は効果持続(欠ければ補修) |
痛み | なし | なし |
どう使い分けるの?
フッ素塗布とシーラントは、どちらか一方で十分というものではありません。
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フッ素塗布で歯全体を強化し、
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シーラントで奥歯の溝をカバーする
この2つを組み合わせることで、お子さんの虫歯リスクを大きく減らせます。
特に6歳臼歯は、一生使う大切な歯でありながら虫歯になりやすいため、両方の処置を受けることが望ましいのです。
北村歯科医院での予防サポート
神戸市兵庫区の北村歯科医院では、お子さんの年齢やお口の状態に合わせて、フッ素塗布とシーラントを組み合わせた予防プランをご提案しています。処置はどちらも痛みがなく、短時間で終わるため、お子さんも安心して受けられます。
まとめ
フッ素塗布とシーラントは、どちらも子どもの虫歯予防に効果的な方法ですが、目的や対象が異なります。歯全体を守るフッ素塗布と、奥歯を守るシーラントを上手に使い分けることで、大切な永久歯を長く健康に保つことができます。
「うちの子はどちらが必要?」「6歳臼歯の虫歯が心配」など気になることがありましたら、ぜひ神戸市兵庫区の北村歯科医院にご相談ください。お子さんの成長に合わせた予防歯科で、一生ものの歯を一緒に守っていきましょう。