もしかしてドライマウス?
〜放置すると全身の健康にも影響する「口の乾き」〜
こんにちは。神戸市兵庫区の北村歯科医院です。
「口が渇く」「夜中に喉がカラカラで目が覚める」「食べ物が飲み込みにくい」
こうした症状、実は**ドライマウス(口腔乾燥症)**かもしれません。
ドライマウスとは?
ドライマウスは、唾液の分泌量が減って口の中が乾燥した状態のこと。
健康な成人では1日に約1〜1.5リットルもの唾液が分泌されますが、この量が減ると、口腔内の潤いが失われ、虫歯や歯周病だけでなく、全身の健康にも影響します。
日本では推定800万〜3000万人がドライマウスの可能性があり、特に65歳以上では3割以上が発症していると考えられています。
しかし「単なる口の渇き」と軽く見られがちで、適切な受診や治療につながらないことも多いのです。
なぜ放置すると危険なの?
唾液には
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自浄作用(食べかすや細菌を洗い流す)
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抗菌作用(細菌の増殖を抑える)
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緩衝作用(酸性になった口の中を中和する)
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再石灰化作用(歯を修復し虫歯を防ぐ)
など、多くの防御機能があります。
唾液が減ると、虫歯・歯周病・口臭の悪化、カンジダ症などの感染症、さらに高齢者では誤嚥性肺炎のリスクも高まります。
ドライマウスの症状チェック
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口が渇いて夜間に目が覚める
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パンやクッキーなど乾いた食べ物が飲み込みにくい
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舌がヒリヒリする、ひび割れる
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口内炎や口角炎ができやすい
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義歯が外れやすい
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口臭が気になる
複数当てはまる方は注意が必要です。
主な原因
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薬の副作用
抗うつ薬、抗アレルギー薬、降圧薬、利尿薬などには唾液分泌を抑える作用があります。複数の薬を服用している場合、リスクは40%も上昇。 -
全身疾患
シェーグレン症候群(自己免疫疾患)や糖尿病、腎臓病などが原因になることもあります。 -
生活習慣や加齢
口呼吸、ストレス、加齢による筋力低下、柔らかい物ばかり食べる習慣も唾液分泌を減らします。
検査
歯科医院では、ガムテスト(ガムを噛んで10分間の唾液量を測定)、サクソンテスト(ガーゼを噛んで2分間の重量増を測定)などで客観的に評価します。
必要に応じて血液検査や唾液腺の画像検査を行い、全身疾患との関連も調べます。
病院歯科の口腔外科への紹介を行っています。
自宅でできる対策
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唾液腺マッサージ
耳の前(耳下腺)、顎の下(顎下腺)、顎の真下(舌下腺)をやさしくマッサージ -
口腔体操「あいうべ体操」
あ・い・う・べの動作を繰り返して口周りの筋肉を鍛え、口呼吸を改善 -
食生活の工夫
よく噛む、酸味や昆布出汁など唾液を促す食材を取り入れる -
保湿と環境改善
口腔保湿ジェルや人工唾液の使用、加湿器やマスクで乾燥予防 -
洗口液の選び方
ノンアルコールタイプを選び、口腔内の乾燥を悪化させない
医療機関での治療
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唾液分泌促進薬(塩酸セビメリン、塩酸ピロカルピン)
※主にシェーグレン症候群や放射線治療後のドライマウスに保険適用 -
漢方薬(麦門冬湯、五苓散など)
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口腔保湿剤・人工唾液による対症療法
原因が薬の副作用であれば、主治医や薬剤師と連携し、薬の調整で改善する場合もあります。
放置せず早めの対応を
ドライマウスは「年齢のせい」ではなく、適切な対策で改善が期待できる症状です。
放置すれば口腔だけでなく全身の健康、特に免疫力や肺炎リスクにも影響します。
「最近、口が渇く」「食べ物が飲み込みにくい」と感じたら、ぜひ北村歯科医院へご相談ください。
原因の特定からセルフケア指導、必要な治療まで、あなたに合わせたサポートをいたします。
神戸市兵庫区
北村歯科医院
あなたのお口の健康と笑顔を守ります。