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糖尿病と歯周病について

糖尿病と歯周病の深い関係〜健康な人生のために今できること〜

こんにちは。北村歯科医院です。
今回は、管理栄養士の資格を持つスタッフから、**「糖尿病と歯周病の関わり」**についてお話しします。

「糖尿病と歯って、あまり関係ないのでは?」と思う方も多いかもしれません。
しかし実は、糖尿病と歯周病はお互いに悪影響を及ぼし合う、密接な関係にあります。特に30〜50歳の世代では、生活習慣病の予防や健康寿命の延伸のためにも知っておきたい大切なテーマです。


糖尿病とは

糖尿病は、運動不足や高カロリー・高脂肪の食生活などが主な原因となり、血糖値が慢性的に高くなる病気です。血液中のブドウ糖が過剰になり、尿に排出されることもあります。

糖尿病になると免疫力(体の抵抗力)が低下し、さまざまな合併症を引き起こします。代表的なものに「糖尿病神経障害」「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」があり、これらは糖尿病三大合併症と呼ばれます。

この中に歯の病気は含まれていませんが、実は糖尿病は歯周病を悪化させやすいことが分かっています。


糖尿病と歯周病の悪循環

歯周病は歯を支える骨や歯ぐきが炎症で壊れていく病気で、日本人が歯を失う原因の第1位です。

糖尿病があると、次のような理由から歯周病が進行しやすくなります。

  1. 歯周病菌は糖を好むため、唾液中の糖分が高いと増えやすい

  2. 免疫力が低下し、細菌への抵抗が弱まる

  3. 唾液量が減少して自浄作用が低下する

  4. 血流が悪くなり、歯ぐきの治癒が遅れる

  5. 血管がもろくなり、炎症が長引く

さらに、歯周病になると炎症物質が血液中に放出され、インスリンの働きを妨げるため、血糖コントロールが難しくなります。
つまり、糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させるという悪循環が起こるのです。


全身への影響も

近年の研究では、歯周病菌の一部が血管の中で血栓を作りやすくし、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることも分かっています。
歯周病は「歯を失う病気」というだけでなく、命に関わる全身疾患のリスク因子でもあるのです。


歯周病で崩れる食生活

歯周病が進行して歯がぐらぐらしたり、抜けてしまうと、硬い物や繊維質の食べ物が食べにくくなります。その結果、野菜や海藻などの食物繊維やミネラルの摂取が減り、逆に炭水化物や脂質に偏った食事になりやすくなります。

糖尿病の方にとって食物繊維はとても大切です。

  • 水溶性食物繊維:血糖の急上昇を抑え、コレステロールの吸収も抑える

  • 不溶性食物繊維:便秘予防、腸内環境改善

食物繊維をしっかり取るためには、日常の食事に工夫が必要です。


食物繊維を摂るための工夫

  • 水溶性食物繊維が多い食品:ひじき、ワカメ、昆布、寒天、キウイ、バナナ、りんご、ごぼう、アボカド、オクラ、納豆 など

  • 不溶性食物繊維が多い食品:ブロッコリー、キャベツ、ほうれん草、タケノコ、しめじ、エリンギ、さつまいも、切り干し大根、大豆、玄米 など

たとえば…

  • ハンバーグに刻んだひじきを混ぜた「ひじきハンバーグ」

  • 牛肉とこんにゃくのステーキ

  • きのこの卵とじ

こうした工夫で、栄養バランスを整えながら満腹感も得られます。


歯科でできる糖尿病予防

糖尿病と歯周病の悪循環を断ち切るには、歯科での定期的なメンテナンスが欠かせません。

  • 歯と歯の間、歯ぐきの中の汚れを専用機器で除去

  • 歯石や着色を取り除いて清潔に保つ

  • 歯ぐきの腫れや炎症を早期に発見・治療

「着色が気になる」「歯ぐきが腫れている気がする」など、わずかな違和感でも早めにご相談ください。


北村歯科医院のサポート

当院には、管理栄養士の資格を持つスタッフが在籍しています。
糖尿病や食生活のご相談も、歯科治療と合わせてサポート可能です。

  • 食事の工夫や栄養のアドバイス

  • 噛みやすいレシピの提案

  • 糖尿病予防のための食材選び

歯と全身の健康を同時に守るお手伝いをいたします。


まとめ

糖尿病と歯周病は、お互いに悪影響を与え合う関係です。
30〜50歳は生活習慣が固定化しやすく、予防の有無が将来の健康に大きく影響します。

  • 毎日の丁寧な歯みがき

  • 定期的な歯科検診とプロのクリーニング

  • バランスのとれた食生活

この3つを意識することで、歯と体の両方を守ることができます。

気になる症状や食事の悩みがあれば、ぜひ北村歯科医院にご相談ください。
私たちと一緒に、これからの健康な毎日を作っていきましょう😊