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歯科で使う「局所麻酔」について

歯科で使う「局所麻酔」について 〜浸潤麻酔と伝達麻酔の違い〜

こんにちは、神戸市兵庫区 北村歯科医院 院長 北村聡一です。歯科治療を受けるとき、多くの方が不安に思うことの一つが「麻酔」です。
「どれくらい痛いのかな?」「しびれはどのくらい続くの?」と、気になる患者さんも多いのではないでしょうか。

北村歯科医院では、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、麻酔について丁寧にご説明しています。ここでは、歯科でよく使う局所麻酔の「浸潤麻酔」と「伝達麻酔」の違いについて、わかりやすくお伝えします。


浸潤麻酔とは

浸潤麻酔は、歯の治療で最も一般的に使われる方法です。

  • 麻酔をかける場所:治療する歯の周りの歯ぐきに麻酔薬を注射します。表面麻酔で痛みを和らげることができます。

  • 効く範囲:注射した周囲、つまり治療する歯1本から数本といった、比較的狭い範囲です。

  • どんな治療で使う?
    むし歯の治療、歯周病治療、簡単な抜歯など、日常的なほとんどの治療に使われています。

特徴

  • 効果がすぐに出やすい(約3分〜)

  • 持続時間は2〜3時間ほどで比較的短め

  • 細い針を使うため、注射の痛みも少なく抑えられる

患者さんからすると、歯の治療をするときにもっとも馴染みがあり、安心して受けられる麻酔法といえます。


伝達麻酔とは

伝達麻酔は、広い範囲に効かせたいときに使う方法です。浸潤麻酔では麻酔の効果が十分に得られなかった場合に行います。

  • 麻酔をかける場所:顎の骨に入る手前の太い神経の幹に注射します。

  • 効く範囲:神経の枝分かれ全体に作用するため、下顎の奥歯や下唇など広い範囲に効果があります。

  • どんな治療で使う?
    下顎の奥歯の治療(親知らずの抜歯や根管治療など)
    ・複数の歯を一度に治療するとき
    ・外科的な処置が必要な場合

特徴

  • 効き始めるまでに数分〜15分ほどかかる

  • 効果が長く続き(4〜6時間、場合によっては半日程度)、広範囲の治療に適している

  • 治療後しばらくは唇や舌がしびれたように感じることがある

下顎の骨はとても硬いため、浸潤麻酔だけでは効きにくいこともあります。そうしたときに、この伝達麻酔が活躍します。


浸潤麻酔と伝達麻酔の違いまとめ

項目 浸潤麻酔 伝達麻酔
麻酔部位 治療する歯の周り 太い神経の幹
麻酔範囲 狭い(1〜数本の歯) 広い(顎の半分など)
使用例 むし歯治療、簡単な抜歯 下顎奥歯の抜歯、広範囲の治療
麻酔時間 比較的短い(2〜3時間程度) 比較的長い(4〜6時間〜半日)
感覚 治療部位周辺のみ 唇や舌までしびれることがある

麻酔に不安がある方へ

どちらの麻酔を使うかは、治療する歯の位置や内容、患者さんの骨の状態などを考慮して、歯科医師が最適な方法を選びます。

「麻酔は痛いのでは?」と心配される方も多いですが、表面麻酔(塗るタイプの麻酔)を併用したり、できるだけ細い針を使ったりして、痛みを最小限に抑える工夫をしています。

また、しびれの時間や感覚の戻り方についても、治療前にしっかりご説明いたしますので、ご安心ください。


まとめ

局所麻酔には「浸潤麻酔」と「伝達麻酔」の2種類があり、それぞれ得意とする治療があります。
北村歯科医院では、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、症状や治療内容に応じて最適な麻酔を選択しています。

もし「麻酔が怖い」「しびれが残るのでは?」といった不安があれば、どうぞ遠慮なくご相談ください。私たちが、できる限り安心できる環境で治療を受けられるようサポートいたします。

神戸市兵庫区 和田岬 北村歯科医院