〜1本抜けただけ、と思っていませんか?〜
こんにちは。神戸市兵庫区北村歯科医院のブログをご覧いただきありがとうございます。
今回は、多くの方がつい後回しにしがちなテーマ、
**「歯を抜いたあと、そのまま放置してしまうことのリスク」**についてお話しします。
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「特に痛くないし…」
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「食事もなんとかできるし…」
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「インプラントとか入れ歯とか、まだ決めきれなくて…」
こんな理由で、歯が抜けたままの状態を続けていませんか?
実は、それが他の歯の寿命を縮める原因になってしまうかもしれません。
◆ 歯には1本1本、大切な役割があります
歯はただ並んでいるだけではありません。
お互いを支え合いながら、しっかりと噛む機能や見た目のバランスを保っているのです。
たとえ1本だけでも歯を失うと、そのまわりの歯やお口全体に影響が広がってしまうことがあります。
ここからは、歯を抜いた後に処置をせず放置すると、どんなことが起こるのかを具体的にご紹介します。
★1:噛み合う歯が伸びてくる!?
歯を抜いた場所にスペースが空いたままになると、
その反対側にある噛み合う歯(対合歯)が下へ(または上へ)伸びてくることがあります。
まるで、「噛む相手を探して落ちてくる」ような感じです。
これが進んでしまうと…
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伸びた歯の位置がずれて噛み合わせが悪くなる
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元の位置に戻すことが非常に難しくなる
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被せ物などの治療がしづらくなる
といった複雑な治療が必要になる場合もあります。
★2:隣の歯が倒れてくる
歯が抜けたままだと、その両隣の歯が空いたスペースに向かって少しずつ倒れてくることがあります。
その結果…
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歯並びが乱れる
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歯磨きがしづらくなり、虫歯や歯周病のリスクが上がる
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治療が難しくなる
というように、1本の欠損が、複数のトラブルを引き起こす可能性があります。
★3:残っている歯に負担が集中
たとえば奥歯を抜いたまま放っておくと、
本来奥歯が担っていた「噛む力」が前歯や少ない歯に集中してしまいます。
この負担のせいで…
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前歯がグラグラする
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歯が割れてしまう
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歯周病が悪化しやすくなる
といったリスクが高まり、大切な歯をさらに失う可能性も。
とくに、もともと骨が弱い方や歯周病が進んでいる方は要注意です。
★4:かみ合わせのバランスが崩れる
「歯が抜けた側では噛みにくいから…」と、反対側ばかりで噛む習慣がついていませんか?
これが続くと、噛み合わせのバランスが乱れ、
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顎の関節に負担がかかる(顎関節症)
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偏った噛み方で歯並びがズレる
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顔の筋肉のバランスも崩れて、左右差が出る
など、見た目や健康にも影響が出てくる可能性があります。
★5:しっかり噛めず、胃腸にも負担が…
噛む歯が少なくなると、食べ物を十分に細かく砕くことができず、胃腸に負担がかかります。
さらに…
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よく噛まないと唾液の分泌が減る
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唾液が減ると口の中が乾きやすくなり、
→ 虫歯・歯周病・口臭の原因に!
といったように、全身の健康にも悪影響が広がってしまいます。
★6:見た目の印象が変わってしまう
前歯を失った場合はもちろん、奥歯でも見た目に影響があります。
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頬がこけて見える
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顎のラインがたるむ
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口元にシワができやすくなる
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年齢より老けて見られてしまう
「なんとなく顔が変わった気がする…」と感じている方、もしかしたら歯の欠損が原因かもしれません。
◆ 歯を抜いたら「終わり」ではなく「始まり」
歯を抜くという選択が必要なときもあります。
でも、その後の処置こそが、他の歯を守るために最も重要なポイントになります。
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インプラント
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ブリッジ
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入れ歯
など、選択肢は患者様の状態やご希望に合わせてご提案可能です。
「まだ決めきれなくて…」という方も、まずはカウンセリングでお話をお聞かせください。
◆ まとめ
たった1本の歯でも、失うことでお口の中や身体全体に大きな影響が出ることがあります。
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噛む力のバランス
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顎や消化器官への影響
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見た目の変化や老け感
これらを防ぐためにも、歯を抜いた後の治療をきちんと受けることがとても大切です。
「今は困っていないから…」ではなく、
「これからも快適に過ごすために」——
私たちと一緒に、より良い治療の選択肢を考えていきましょう!
神戸市兵庫区 北村歯科医院 院長 北村聡一編集