こんにちは。神戸市兵庫区北村歯科医院のブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は、「詰め物が取れてしまった」というお悩みについてお話しします。
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食事中にゴロンと口の中で詰め物が取れてしまった…
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鏡を見たら銀歯がなくなっている!
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最近冷たいものがしみると思ったら、詰め物が外れていた…
そんな経験がある方、意外と多いのではないでしょうか?
実は、詰め物が取れたままにしておくのはとても危険です。
虫歯の再発や、歯の破折(割れ)など、トラブルがどんどん大きくなってしまうことも。
今回は、「なぜ詰め物が取れるのか?」「取れたときはどうすればいいのか?」を分かりやすくご説明します。
◆ 詰め物が取れる主な6つの原因
1. 経年劣化
詰め物にも寿命があります。特にプラスチック(レジン)素材のものは、時間とともに硬くなったり、すり減ったり、隙間ができてしまったりします。
セラミックや金属は比較的長持ちですが、歯との接着部分が劣化することは避けられません。
2. 噛み合わせの不調や歯ぎしり
強い食いしばりや歯ぎしりがある方は、詰め物に大きな負担がかかっています。
また、元々の噛み合わせがずれている場合、特定の歯に力が集中しやすく、詰め物が取れる原因に。
3. 詰め物の適合が合っていない
治療直後からなんとなく「違和感があるな」と思ったことはありませんか?
歯と詰め物の間に隙間があったり、噛み合わせが微妙にずれている場合、取れやすくなります。
放置すると、その隙間から細菌が侵入して虫歯が再発してしまうことも。
4. 接着剤の劣化
口の中は湿気・熱・摩擦など、詰め物には過酷な環境です。
年月が経つと、詰め物と歯を固定する接着剤が弱くなってきます。特に、うがい薬や歯磨き粉に含まれる成分の影響で、劣化が早まるケースも。
5. 固い・粘着性のある食べ物
ガム・キャラメル・ナッツ・氷など、詰め物に強い力が加わる食べ物は要注意。
新しい詰め物をしたばかりのタイミングでは、特に避けていただきたい食品です。
6. 虫歯の再発や歯の変形
詰め物の下で虫歯が進行していたり、歯が変形してしまっていたりすると、当然フィットしなくなり取れやすくなります。
また、歯の根がもろくなっていると、詰め物を支えきれず、外れてしまうこともあります。
◆ 詰め物が取れてしまったときの正しい対応
1. 取れた詰め物を保管して、持っていく
破損していなければ、再接着が可能な場合もあります。清潔な容器に入れて、歯科医院へお持ちください。
2. 取れた部分をやさしく保護する
歯の内部がむき出しになっていると、痛みやしみが出たり、細菌の侵入リスクがあります。
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強く噛まない
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冷たいものを避ける
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歯磨きは優しく丁寧に
応急的に市販の「歯痛用ジェル」などでしのぐのもOKですが、あくまで一時的な対処です。
3. できるだけ早く歯科医院へ!
見た目に問題がなくても、中で虫歯が再発していたり、歯が欠けている可能性があります。
痛みがなくても「取れた=異常がある状態」ですので、必ず早めに診察を受けましょう。
◆ 詰め物が取れないようにする予防法
1. 定期的な歯科受診と噛み合わせのチェック
数ヶ月に1回の定期健診で、詰め物の劣化や噛み合わせの乱れを早めに発見できます。
「強く噛み締めるクセがある」「朝起きたとき顎が疲れている」と感じる方は要注意です。
2. 日々のケアを丁寧に
詰め物の隙間にプラーク(汚れ)や歯石が溜まると、虫歯や歯周病の原因に。
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歯ブラシだけでなく、デンタルフロス・歯間ブラシも併用しましょう。
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磨く力は強すぎず、優しく丁寧に。
3. 固いものや粘着性のある食べ物はほどほどに
氷・せんべい・ナッツ類を噛み砕くクセがある方、要注意です。
特に、治療後1週間くらいは、片方で噛むのを避けたり、柔らかいものを中心に過ごすことをおすすめします。
◆ まとめ
「たかが詰め物が取れただけ」と思って放置していると、
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虫歯の再発
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歯の破折
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歯ぐきの炎症
など、思いがけないトラブルに発展することも。
だからこそ、取れたら早めにご相談ください。
また、日々のケアと定期的なメンテナンスで、詰め物のトラブルはぐっと減らすことができます。
「少し浮いてる気がする」「なんとなくしみる」など、気になることがあれば、小さな違和感のうちにお気軽にご相談くださいね。
神戸市兵庫区 北村歯科医院 院長 北村聡一 編集